突然ですが、ファッションって何のためにあるものでしょう?
答えはきっと人によって違うのだと思います。ファッションは「こわい」ものだと思っている人もいるのかもしれません。

これは、あくまでも、私の個人的な考え方ですが、ファッションとは皮膚という身体に直接身につけるものです。私たちの身体の延長線上にあって、人からの印象を決定づける一因になります。ファッションはその人の一部ですし、その人が自分自身とどう向き合っているかということを視覚的に表現するものだと、私は思っています。
それならば、「いつも」は無理でも、出来るだけ美しいものを身につけ、出来るだけ心地よい気持ちでいたい。つねにきれいな洋服を着ることは無理でも、ファッション、ひいては「自分自身」にとって「美しさ」とは何か、せめてつねに考え続けたい。私はそう思います。今回から不定期で、美しさを纏うことについて、考え始めたいと思います。是非お付き合いいただければ幸いですし、これを読んでくださった方の、自分自身の美しさを考えるきっかけになれば、これ以上嬉しいことはありません。

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 image via Maryam Nassir Zadeh
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海外のファッションブロガーさん、インテリアブロガーさんのブログを巡るのは私の趣味のひとつ。そこで、目に止まった靴があります。まず思うのは、「何て革が柔らかそうな靴!」という、写真だけでも伝わる革の素材感。次に目に止まるのが、ちょうど良いヒールの高さ。そして、おばあちゃんが履いていそうなクラシカルなデザインなのに、細身で野暮ったくならないぎりぎり/絶妙なデザイン。ありそうだけれど、なかなか見ない靴だと思います。完全に一目惚れでした。

image via Maryam Nassir Zadeh
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不勉強なもので、私は今回はじめてこちらの名前を聞いたのですが、さっそく検索してみると、英語のサイトにまじって、2013年にSUPER A MARKETのサイトでインタビューされていたようです。(素晴らしい!)
このインタビューによるとMaryam Nassir ZadehはNYのセレクトショップ。オーナーはショップ名と同じマリアムさんという女性で、アート・ディレクターの夫に勧められブティックをオープンしたとのこと。オフィシャルサイトの取り扱いデザイナーを眺めてみると、MARNIやACNE STUDIOS、CARVENなどのもはや定番ブランドから、日本のSIRI SIRIまで!(SIRI SIRIの商品は残念ながら完売しているようです。)モードだけれど、程よくリアルクローズ。靴を見たときの印象が、そのままセレクトにもつながっているようで、背筋が伸びます。

image via Maryam Nassir Zadeh
image via Maryam Nassir Zadeh SIRI SIRI / KIRIKO BANGLE

image via SIRI SIRI STORE
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SIRI SIRIとは、「鎖」を意味するスワヒリ語、silisiliに由来する造語とのことです。伝統的な職人技術を用いながらも、素材への落とし込みや、無駄のないデザインで、どの作品もコンテンポラリーな美しさを放っています。特に日本の伝統工芸、江戸切子でカットされたKIRIKOシリーズは、光を孕んだ空気を纏うようです。

 

「良い靴はあなたをより良い場所へ連れて行ってくれる」なんていう言葉もありますが、靴もアクセサリーも、背筋を伸ばし、前を見るためにある、と私は思います。雑誌などのメディアでひっきりなしに喧伝される流行のデザインではなくても、または、たくさん持っている必要もない筈です。もちろん、ただやみくもに高価な必要もないと思います。ただ、「自分」が心から美しいと思えるかどうか。心地よいと思えるかどうか。自分の皮膚の延長線上に身につけ、「自分自身」と思えるかどうか。物や情報が溢れている現代には、このシンプルな原則も時折見失いがちになってしまいそうです。でも、いつでも、「自分」が「自分」と向き合うために、そして前を向いて進むきっかけを手に入れられるように、本当に美しいものは私たちを待っている、と私は思います。

 

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